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[中野区]

開催期間 2024年6月10日~2024年8月7日

東京工芸大学 写真展「光の術 観察そして目撃」写大ギャラリー・コレクションより

開催時間
10:00~19:00
場所
東京工芸大学 中野キャンパス
独自の視点と技術で作り上げた風景写真の傑作

スマートフォンやSNSの普及により、写真を撮る人は著しく増加しましました。それに伴い、写真はさらに、シャッターを押せば誰にでも簡単に撮ることができる、誰が撮っても同じと思われているように感じます。確かにシャッターを押せば写真は写ります。しかし、その人にしか撮ることができない写真もまさしく存在します。クリストファー・バーケット(Christopher Burkett/1950年、カナダ生まれ)は、8×10インチの大型カメラを用いて、アメリカの原風景をモチーフにしています。「ヒロハハコヤナギと光、ユタ州」には、悠々とした1本の大木が写っています。背景に広がる岩肌は、一面、影で覆われており、逆光の中で撮られたことがわかります。逆光下で撮影した場合、被写体の前面は影になることが多いですが、木および地面にも光が周り、美しい色を見せています。想像の域を出ませんが、木の前にも背景と同じような岩肌がそびえ立っていたのではないでしょうか。その岩肌や地面に反射した光が、木を明るく照らしているように思います。マイケル・ケンナ(Michael Kenna/1953年、イギリス生まれ)は、モノクロの幻想的な風景を生み出す写真家として知られています。「桜と満月、北海道浦河」は、タイトルにあるように満月の夜に撮られています。月が線のように写っていることから、数時間もの間、シャッターを開けていたことがわかります。長い時間シャッターを開けていたのにも関わらず、手前の桜の木はほとんどぶれていません。満月の夜に、そのうえ、桜の後ろを月が通り抜ける、風がない日を選んだことがわかります。この2つの作品のような日や時間、タイミングが揃うことは滅多にないでしょう。写真家は人間の力では及ばない天候や自然に挑み、眼前の光景を見続けます。そして、二度とは起こらない奇跡のような瞬間を迎えた時、磨き抜かれた技術によって、その光景を1枚の写真に落とし込みます。そのようにして生まれた写真は、シャッターを押せば簡単に写るものとは一線を画しています。さらには、私たち鑑賞者がその作品の前に立つ時、まるでその場所にいた当事者かのような気持ちにもしてくれます。本展では、写大ギャラリー・コレクションから国内外を代表する写真家が、独自の視点と技術で作り上げた風景写真の傑作をご覧いただきます。

【開催期間】6/10(月)~8/7(水)※入場無料、休館日は木曜・日曜・祝日
【開催時間】10:00~19:00
【会場】東京工芸大学 中野キャンパス5号館 2階 写大ギャラリー(芸術情報館)(中野区本町2-4-7)
【アクセス】東京メトロ丸ノ内線・都営地下鉄大江戸線「中野坂上駅」から徒歩7分
【主催】東京工芸大学芸術学部
【企画構成】勝倉崚太(写大ギャラリー運営委員)
【展示作品】カラー・モノクロ写真作品約50点
【お問い合わせ先】03-5371-2694(東京工芸大学 写大ギャラリー)
https://www.shadai.t-kougei.ac.jp/